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テセウスのパラドックス

テセウスの船テセウスのパラドックス)は、ギリシャ神話のとある話が元となっています。

英雄テセウスはとある島でミノタウロスを倒し船を使って帰還しました。

その船は記念品となり長い間保存されたのですが、木製であるため少しずつ朽ちてしまい少しずつパーツを入れ替え、遂に元のパーツが1つもなくなってしまったのです。

「パーツが入れ替わってしまったのだから別のものになってしまった」とも言えますし、「記念品として保存されている船という事実は同じなのだから同じ船だ」とも言えます。

果たして、同じ船と言えるのでしょうか?

とある物体を構成しているパーツが別のものに置き換えられたとき、とある物体は以前と同じといえるのか、ということをテセウスのパラドックス(テセウスの船)といいます。 

現代で例えるならば

「会社を作ったが10年後には社員が全員代わっていた。」

「細胞は約10年で入れ替わる。10年前の自分を構成していた細胞はもうない。」

「シャンプーの詰め替えを何度も行っている。」

のようなものですね。

これは、同じものであると言えるのでしょうか?

同じの定義をアリストテレスの四原因説で考える。

アリストテレスが論じた「四原因説」というものを使って「同じ」という言葉を定義していきます。

四原因説とは、世の中の物事は「質料因」「形相因」「作用因」「目的因」の4つの原因から構成されているという考え方です。

例えば、家を建てるということは

・「質料因」:木やコンクリート等の材料・素材

・「形相因」:3階建てで洋風の家にしようというイメージ

・「作用因」:実際に建てるという行動や原因

・「目的因」:住むという目的や用途

の4つが存在していると考えられます。

このように、物事を4つの視点から考えることで「同じ」を定義することができます。

船のパーツを入れ替え新しくなったということは

「質料因」という視点から見ると、材料が変わったため同じではないと言え、

「目的因」という視点から見ると、テセウスが使っていた船という目的が変わっていないため同じと言えます。

形が同じであれば「形相因」は同じですし、作り方が変わらないのであれば「作用因」も同じでしょう。もちろん、そこが変われば同じとは言えなくなります。

入れ替えられた古いパーツのみを集め作った船であれば

「質料因」は元々のテセウスの船と同じですが、

「目的因」はミノタウロスを倒し帰還するために使われた船ではないため異なります。

他にも、「一度入った川には二度と入れない」という有名な話があります。川は常に流れているため、入るたびに違う水がそこにあるはずだという話です。

同じの定義とは

「同じ」の定義はアリストテレスの「四原因説」から求めることができます。

「質料因」「形相因」「作用因」「目的因」、つまり、「素材」「イメージ」「原因」「目的」のどれかが同じであると私たちは「同じ」と呼びます。

4つ全てが一致しているときが「本当の”同じ”」であると言えるかもしれませんが、そこまで厳密に”同じ”という言葉を使っている人はいないでしょうね。

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